「インド万華鏡」の旅へ

インドの風景、遺跡、人々、神々、ヨーガ、伝統武術

オームカレシュワルの巡礼路 【後編】尾根道を越えて遺跡エリアへ

f:id:Parashraama:20161003132220j:plain

サンガムの河原。水は澄み、自然の岩場が日本人には心地よい

前回、オンカレシュワル寺院からサンガムの合流点までの道行きを紹介した。

f:id:Parashraama:20161003133958j:plain

聖河合流点サンガムで沐浴する

サンガムで身を清めた巡礼たちは、ここで折り返して島の尾根筋へと登っていく。

f:id:Parashraama:20161003140438j:plain

沐浴で濡れたサリーを風に当て陽にさらして乾かす。サリーは極めて薄いので5分もあれば着られるくらいには乾くだろう

路の両脇には、大小の寺院や祀堂が点在し、巡礼たちはそのひとつひとつで敬虔な祈りを捧げる。

f:id:Parashraama:20161003134508j:plain

シヴァ・リンガムに祈る。男たちの白衣は巡礼の正装だ

やがて尾根筋に至った巡礼たちは、まっすぐに東の果てを目指す。

f:id:Parashraama:20161003171935j:plain

こういう路地の雰囲気が、私はたまらなく好きだ。どこか地中海的な白亜の光と影

f:id:Parashraama:20161003141426j:plain

点在する土産物屋でお買い物。別に他で買っても大して変わらない品揃えなんだけど、やっぱり買いたい!

平らな尾根道の両脇には土産物屋や祠堂が点在し、巡礼たちは時に祈り時に買い物に励みつつ、進んでいく。

f:id:Parashraama:20161003141728j:plain

商品が陽よけのすだれを兼ねている?

f:id:Parashraama:20161003171531j:plain

聖杖ダンダを手に持つ巡礼家族。真ん中のお父さんはプラスチックの義足で歩き通していた

f:id:Parashraama:20161003140923j:plain

高台のチャイ屋で休むサドゥ

f:id:Parashraama:20161003141116j:plain

ガンジャはサドゥの友 

サドゥがチュラムで一服を楽しむ見晴らしの良いチャイ屋を過ぎ、

f:id:Parashraama:20161003141253j:plain

ヒマラヤのある北を見つめる巨大なシヴァ神像 

太陽を背にしたシヴァ神を過ぎると、 

f:id:Parashraama:20161003141905j:plain

古代世界へのゲート。トラナと言うべきかドワーラと言うべきか

やがて巡礼の路は、古代遺跡のエリアへと入っていく。

f:id:Parashraama:20161003142427j:plain

このような遺物が至る所に点在している。植物の緑と鉱物の遺跡のコントラスト

f:id:Parashraama:20161003142203j:plain

悪魔と戦うドゥルガー女神

遺跡エリアはデヴィ(女神)たちの王国だ。 

f:id:Parashraama:20161003143222j:plain

11世紀に建てられたガウリ・ソムナート寺院 

三階あるフロアの全てにシヴァ・リンガムが祭られているソムナート寺院を過ぎ、

f:id:Parashraama:20161003143537j:plain

赤砂岩のシッダナート寺院と巡礼家族

象のレリーフが美しいシッダナート寺院に目を見張ると、やがて路は谷を降り、再び尾根に上って、 ダムを遠望する島の東の端に至る。

f:id:Parashraama:20161003163549j:plain

東の果てに立つ一本の樹。私はこの樹が視野に入った瞬間、ビリビリと感じるものがあった

そこには、美しく黄葉した一本の樹が独特の存在感を放ちながら立ち、 

f:id:Parashraama:20161003163020j:plain

門柱だけが残った寺院の跡。私はムードで古代と書いているが、年代的には中世期が正しいだろう

その根元には、ほとんどの手が折れて失われてしまった、しかしそれでもなお凛とした美しさと威厳を湛えた、一体のドゥルガー女神像が置かれている。 

f:id:Parashraama:20161003163635j:plain

朱に塗られたドゥルガー女神。背後には遠くダムが見える。

その胸には、インド彫刻の女神像に特徴的な丸いボールを二つ割りにしたようなぷっくらとした乳房が並び、よく見ると背後に立つ樹の幹にも、たらちねの乳房が並んでいる。

f:id:Parashraama:20161003164010j:plain

垂乳根(たらちね)の御神木 

ドゥルガー女神像の乳房は、驚いた事に巡礼路の村で出会った若く美しい母親の乳房と瓜二つの形をしていた。

f:id:Parashraama:20161003144601j:plain

腕の細さと胸の豊かさのコントラストが印象的なマタジー 

このボールのように丸い乳房はインド的母性の象徴であり、同時に大地の恵み、豊穣の地母神を象徴している。 

現代のヒンドゥ教は、シヴァ・ルドラとヴィシュヌ・クリシュナの二大神に支配されているように見える。けれども、本当に人々の心をつかんでいるのは、デヴィと呼ばれる女神たちなのだ。

f:id:Parashraama:20161003144649j:plain

水牛の悪魔を滅ぼすマヒシャスラ・マルディニ(ドゥルガー

人々のその思いは、遺跡エリアの主役であるドゥルガー女神たちの豊かな胸乳の上に、くっきりと刻みこまれている。 

マンダタ島の東の端、ダムを遠望する崖の上に女神はいる

f:id:Parashraama:20161003150453j:plain

遺跡とダム、古代と現代が交錯する 

巡礼はここでようやく折り返し、ダムを遠望しながら南へと崖道を下りる。 

f:id:Parashraama:20161003150838j:plain

南岸に戻った巡礼の路は、川沿いを一直線にオームカレシュワル寺院を目指す

乾燥した台地は一変し、水の気配が横溢する路を、巡礼たちは黙々と歩き続ける。その表情は、近づいたゴールを目の前にして、自ずからどこかほころんでいる。 

f:id:Parashraama:20161003150905j:plain

餌をねだるサルとじゃれ合いつつ進む。頭上運搬は、インド女性にとって最も自然で楽な方法だ 

沿道でエサをねだるサルたちと戯れつつ、巡礼たちは川の光を存分に浴びて進む。 

f:id:Parashraama:20161003153558j:plain

リバー・トリップを終えた巡礼たち。単純な対岸への渡しからマンダタ島一周まで、様々なコースがある

f:id:Parashraama:20161003165318j:plain

オムカレシュワル寺院の手前にかかるつり橋。左手がダムのある上流・東 

やがて一本の瀟洒なつり橋を過ぎると、オンカレシュワル寺院はもう、すぐそこだ。 

f:id:Parashraama:20161003151306j:plain

吊り橋とダムの間の河原には火葬のガートがある。つまり、よく考えるとサンガムの沐浴場では遺灰の混ざった水を浴びている事になる。まぁこの水量だ、気にせずにおこう

全ての巡礼を終えた人々は、オンカレシュワル寺院のあるマンダタ島から橋を渡って対岸へ戻り、バザールのはずれにあるバススタンドからそれぞれの日常へと戻っていく。 

f:id:Parashraama:20161003151630j:plain

バザールのアムルード(グァバ)売り 

f:id:Parashraama:20161003153013j:plain

黄昏時のオンカレシュワル寺院 

一方で、次々とやって来る新たなる巡礼たちによって、黄昏時のプージャは今日も賑わいを見せるのだった。

f:id:Parashraama:20161003151725j:plain

オンカレシュワル寺院内部は写真撮影禁止のため、これは他のシヴァ寺院の様子

最後に二つYoutubeのビデオを貼っておこう。どちらも少々古い映像だが、逆に経済発展によって変化する以前の本来のオンカレシュワルの雰囲気をよく伝えている。


OMKARESHWARより。画質は悪いが雰囲気を良くとらえている


YATRA a visit to Omkareshwarより。圧倒的に美しい映像(ヒンディ語

Omkareshwarの日本語表記はオームカレシュワル、オムカレシュワル、オンカレシュワルなどのブレがありますが、検索率向上のため併記しています。

私の個人的な体験で言えば、最も現地発音に近いのはオンカレシュワルなのですが、ネット上ではオームカレシュワルが幅を利かせていたのでタイトルにはそれを使いました。ちょっぴり悔しいが多勢に無勢(笑)

(本投稿はインド百景 - Yahoo!ブログの記事を増補・修正の上移転したものです) 

 

インド旅行お勧めガイドブック:地球の歩き方Lonely Planet

サムネイルをクリックするとアマゾンの詳細ページへ

     

 

本サイトは、サンガム印度武術研究所の公式ブログ(仮)です

 

姉妹ブログ仏道修行のゼロポイント

 


ランキング・にほんブログ村